突然心臓が止まることも…「日本は『カフェインの危険性』に関する情報が決定的に不足している」 “カフェイン中毒”を経て、いま思うこと
カフェインを頻繫に摂取する生活を続けていると、恒常的な眩暈に襲われるようになった。就寝時も眩暈は止まず、病院に行くことに……。前編記事に引き続き、ジャーナリスト・ルポライターの石原行雄氏が、自身の体験をレポートしていく。

カフェインの離脱症状
脳梗塞にでもなったのかと、恐怖を感じた。
それでようやく脳神経外科へ行き、MRIによる検査を受けた。
しかし、異常は見当たらなかった。
こうなると原因不明で病院をたらい回しになりそうなところだが、長めの問診で「カフェインの摂り過ぎが原因ではないか」という話になった。
「肩や首が凝っていると、硬直した筋肉で神経が圧迫されて眩暈を発症することがあり、その原因がアナタの場合、カフェインの過剰摂取にあるのではないか」との診断だった。
筋弛緩薬のミオナール50mgと、抗不安薬であると同時に筋肉の強ばりを和らげる作用もあるデパス0.5mgのふたつを7日間分、処方された。
調剤薬局で薬を受け取ると、その場で1錠ずつ取り出して服用した。
すると、この日も起床した瞬間から間断なく続いていた深い眩暈が、自宅へ戻って小一時間で、ふと気付けば跡形もなく消えていた。
数々のこれほどまでの症状は、本当にカフェインによるものだったのか?
「慢性的にカフェインを大量に摂取したことによる、カフェイン中毒の状態と言えるでしょう」
そう語るのは、国立精神・神経医療研究センターの薬物依存研究部部長であり、日本におけるカフェイン中毒研究の第一人者でもある松本俊彦医学博士。
「起床直後に鼻づまりなどの症状が出ていたのは、カフェインの離脱症状と思われます。それが栄養ドリンクで治まったのは、カフェインを摂取したことで離脱症状が解消されたからでしょう」(松本博士:以下カッコ内・同)
離脱症状とは、特定の化学物質の反復使用を突然中止することで起きる病的な症状のこと。