一刻も早く株式投資を知れば「ただ働いているだけの労働者」から脱出できる

これが「お金の増やし方」の正しい知識
「時給1000円の人が時給100万円の人のオーナーになる行為が投資」と述べる、農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)常務取締役CIOの奥野一成氏。「お金儲けをしている人間はずるくて悪い」という発想は自分たちが参加している社会のルールを誤って理解している、と考える『ゼロからわかるファイナンス思考』著者・朝倉祐介氏。「教育こそが最大の投資」という共通の見解を持つ二人に、金融教育の本筋や投資を通じて学べることについて語り合っていただいた。

お金はありがとうのしるし

朝倉 2022年の4月から高校学習指導要領改訂で高校の家庭科に資産運用などの内容が新たに含まれたということですが、奥野さんも関与されていると伺っています。

奥野 今年の4月に独自の授業用教材を作りました。50分の授業を想定して、3本の短い動画と投影用スライド、先生用のカンペなどです。すると、公表した途端にお問い合わせをいくつもいただきました。なかでも都立国際高校などには、講義のためにも招いていただきました。

奥野一成氏の最新著書『ビジネスエリートになるための 投資家の思考法』(ダイヤモンド社、クリックするとアマゾンのサイトが立ち上がります)

この教材で扱う金融教育というのは、積み立ての仕方などといった目先の技術の話ではなく、お金とは、資本主義とは何かを問う内容です。たとえば、私はよく「お金はありがとうのしるし」だと言っています。「ありがとう」と言ってもらえることには、お金も払ってもらえる。だからこそ、お金持ちになりたければ「ありがとう」と言われる人間になるのが一番です。つまり、お金というのは「ありがとう」を媒体する道具なのです。そういう話を学校の先生方にすると「たしかにそうですよね」と言ってもらえます。

現在の教育現場には、お金が汚いものだという先入観が少なからずあります。そのため、高校でお金の教育を始めるといっても、悪いものとどう付き合うかを考えるような口調で話してしまう。その発想自体を変えたいですね。

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朝倉 市場原理のみに任せれば不均衡が拡大し、必要な人々にサポートの手が届きづらくなってしまいます。そこはパブリックセクターが補完するべきです。しかし、金儲けをしている人間はずるくて汚くて悪いことばかりやっているという発想は、まったく間違っています。

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