「雨の日」も発電できる! “世界を変える”かもしれない、夢の「次世代型」太陽電池の実力

日本発の新技術に期待!

人類が直面しているエネルギー問題を解決し、脱炭素社会を実現するため、再生可能エネルギーの活用が加速しています。その中で大きな期待を集める「太陽電池」ですが、従来型の太陽電池は、発電効率が天候に大きく左右され、曇りや雨の日だと発電量が大幅に落ちるという弱点がありました。その弱点を克服しようと、今、世界中が「次世代型太陽電池」の開発に注力しています。

その中で、最も注目されているのが、「ペロブスカイト太陽電池」です。曇りや雨の日、さらに室内の弱い光でも発電することができることに加え、薄くて軽いため様々な場所に設置することが可能で、世界中の企業が実用化に向けた開発にしのぎを削っています。

実は、このペロブスカイト太陽電池は日本人研究者が開発したもので、そのきっかけは学生からの相談という意外なものでした。“ノーベル賞候補”とも言われるほどの画期的な太陽電池の開発秘話と可能性に迫ります。 (NHK「サイエンスZERO」取材班)

名刺サイズのペロブスカイト太陽電池でプロペラが回る/NHK提供

世界が注目! ペロブスカイト太陽電池の実力

地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを全て電気に変換できれば、世界中で使うエネルギーをまかなえるほどのポテンシャルがある「太陽光発電」ですが、現在の主流となっている「シリコン」を用いた太陽電池は、寿命が長くて、発電効率が高いという利点がある一方、天候によって発電効率が大幅に落ちるという弱点を抱えていました。

その弱点を克服しようと開発が進められているのが「次世代型太陽電池」です。その市場規模は、2035年には現在の10倍以上、年間8,300億円にまで成長すると予測されています。そして、その大部分を占めると考えられているのが「ペロブスカイト」を用いた太陽電池です。

 

ペロブスカイトというのは、もともと自然界にある鉱石です。その結晶構造に特徴があり、利用価値が高いため、人工的に作ったものが超電導やLEDの材料などに使われています。

ペロブスカイトと結晶構造/NHK提供

この人工的に作ったペロブスカイトの結晶を太陽電池の素材に使うと、曇りや雨の日、さらに室内の照明でも発電できることが発見され、次世代型太陽電池の最有力候補となったのです。そして、弱い光での発電を実現させているのが、ペロブスカイト太陽電池のもう一つの特徴である“薄さ”です。

曇り空でも発電可能なペロブスカイト太陽電池と、生みの親である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授/NHK提供

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