離婚したいけど生活レベルを落としたくない

「うらやましいかな? この年になって生活のランクを落とすって…どう?」
「私は無理だな」 

結婚23年目にしてようやく離婚を果たしたエリコだったが、会うたびに「離婚したい」「会話がない」「一生これがずっと続くかと思うとぞっとする」と言い合っていた友達はエリコの決断に驚く。そんな友達の反応に戸惑うエリコ。

(c)野原広子『人生最大の失敗』/オーバーラップ

第25回手塚治虫文化賞短編賞受賞作『消えたママ友』の作者、野原広子の描き下ろし最新作『人生最大の失敗』(オーバーラップ)は夫の一言をきっかけに離婚を決めたエリコの人生の選択と生きる姿を描いたコミックエッセイだ。自由と孤独、後悔や希望をはらむ女性の人生後半戦の生き方が胸に迫り、SNSでも「現実的な結婚あるあるがぎゅうと詰まってる」「ラストまで緊張感!」などと話題だ。

『人生最大の失敗』無料試し読みと野原さんへのインタビューをあわせて紹介する第3回。

結婚式では嬉し泣きしながら「すごい幸せ」と言った夫が、たった数年で浮気をし、さらにエリコとの結婚を「人生最大の失敗」とまで言い放った。それを耳にしたエリコは離婚準備を着々と進め、娘の独立を機に離婚を成立させたところまでは、3話前編「離婚と継続どっちがマシ?『結婚は人生最大の失敗』という夫を前に蘇る『母の教訓』」でお伝えした。後編では、ようやく果たした離婚後のエリコの生活と、自由を満喫しようとしたエリコに思わぬ誤算があったことをお送りする。

『人生最大の失敗』(野原 広子著/オーバーラップ)
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離婚件数は減るも熟年離婚は増加

厚生労働省の人口動態統計特殊報告によれば、同居20年以上の夫婦の「熟年離婚」と呼ばれる離婚件数が増えている。1985年には2万434件だった熟年離婚は、20年で2倍になり、約4万件のまま横ばいである。一方離婚件数は2002年の28万9836件から減少しており、2020年は19万3253件。「熟年離婚」の2020年の全体に占める割合は過去最高の21.5%だった。 

マンガではエリコの友人は「よそのDV夫を見てたら、それよりはマシかなー」「すべてにおいて丸くいくことなんてないんだし、夫以外は満足なんだし」と自分に言い聞かせ離婚をあきらめる。離婚したエリコ、離婚しなかった友人。それぞれの人生の後半戦はどう変わるのだろう。

(c)野原広子『人生最大の失敗』/オーバーラップ