総務省が発表した『情報通信白書』(2021年)によると、民間企業のテレワーク導入は新型コロナ感染拡大に伴い、導入が急拡大。2020年の緊急事態宣言時には17.6%から56.4%へと上昇する。現概況については公益財団法人日本生産性本部が調査しており、2022年7月の統計を見ると実施率は16.2%。日本にテレワークは定着しにくいというのが多くの人の見解だろう。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「テレワークを隠れ蓑にした浮気は多いです。社内恋愛カップルの中には、共同で家を借りた人もいます」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回山村さんに相談に来たのは、妻がテレワークを隠れ蓑にした浮気をしているのではと思っている40歳の洋平さん(仮名)。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
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テレワークのはずが不在の妻

今回の依頼者は男性です。洋平さん(40歳)は、妻(43歳)からテレワークをしているはずなのに家にいないこと、また、離婚を切り出されたことについて疑問を覚えました。
洋平さんは、都内のメーカーに勤務する堅実そうな男性です。全身をシンプルな服で上品にまとめていますが、バッグはパンク文化を表現する英国ブランドのものでした。質問に対しては何でも即答。ハキハキと話し、「見られている自分」をいつも感じていることがわかります。

聞けばかなり偏差値が高い大学を出ており、23区内に建売の住宅を購入しています。子どもは8歳の男の子がおり、「成績がよくて、全国テストで100位以内を取ったんですよ」と言いました。

夫婦のなれそめについて伺うと、「ナンパなんです」と苦笑いしていました。
「9年前にコリドー街か恵比寿横丁のあたりで、私の同級生のイケイケな友達と片っ端からナンパしていた時期があったんです。妻はその時にひっかけた女の子のひとり。私の何が気に入ったのか、その日のうちにしてしまったんですね。それからどちらかの家に入り浸ることになり、授かり婚したんです」

妻は当時、外資系の金融関連会社に勤務しており、当時の年収は1500万円だったといいます。一方で、当時の洋平さんといえば31歳当時350万円。かなりコンプレックスを感じたそう。

「僕の年収は妻の4分の1ですからね。半分どころの話ではない。ただ、当時は仕事の負荷が全然違いました。妻は朝から夜まで働いており、プレッシャーもきつく、ノルマもある。一方私は10時出社で6時退勤。ノルマもなく、職場の人間関係もよく、死ぬまで働ける。また、大手なので社会的信用もあり、管理職試験を突破すれば給料は倍増する。結婚と同時に家を買ったのですが、頭金をそんなに入れていないのに、審査はするっと通りました。妻ではそうはいかなかったでしょうね」